ノアクロ☺︎/グルメ備忘録

食べ歩いたお店の紹介をしています。

【No.272 東山 京都生ショコラ オーガニックティーハウス チョコセットとお飲み物】

(味の感想は★からです)


北風吹き荒れる京都の街並みは、物凄い風の猛りが全てを攫ってしまったかのように、人の気配がなかった。


祇園祭の時には歩くこともままらないほど、人で溢れる祇園四条。
けれど今は誰もいない。
本当に人が歩いていないのだ。



GWに合わせるように緊急事態宣言が発令。
東京は正直、街にめちゃくちゃ人が溢れているが(それでも例年に比べるとかなり少ないらしい)京都はほんとに人が歩いていない。

こんなにも歩きやすい四条通りは初めてだった。いつも四条通りを歩く時には、それが決まった枕詞かのように「道幅ほんま狭いわー」って文句を垂れていたのが懐かしい。


北風と横並びになって歩く私は、実は心中あまり穏やかではなかった。
仄かな焦りの感情があったのだ。


別に急く用事があるわけでも、何か大きなミスをしてしまったわけでもない。

ただただなんとなく焦っていた。
心のざわめきがなんとなく落ち着かなくて、慢性的に心がざわざわしている状態。

なんとなく落ち着きたい気持ちだった。
スマホを開いて、お店を調べる。


東山の方にいい感じのカフェを発見。
バスならばそこまで遠くない距離。

私は乗り慣れない京都のバスに乗って目的のお店に向かった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今回のお店は【京都生ショコラ オーガニックティーハウス】さん。


東山は、平安神宮のお隣にある。隣と言っても少し住宅街の中に入る。

お店の場所はちゃんと調べていかないとわからないと思うので、MAP推奨。


一軒家のような玄関口から伸びる石畳に導かれるように店内へ。


f:id:u_0301:20210503131351j:plain


畳の広がる「居間」と表現した方が良い落ち着いた雰囲気だ。
綺麗に敷かれた座布団に腰を下ろす。


f:id:u_0301:20210503131401j:plain


実家にもあった懐かしのガスヒーター。
所々補正されている障子や、掛け軸。
ちょっとしたお庭。

BGMのかかっていない店内には、雨音と線香の香り。


風情という言葉で片付けてしまうとなんだか趣に欠ける感じもするが、風情がドバドバ。語彙力がとろける。



スタッフオンリーと小さく書かれた暖簾から店主さんが。
メニューと温かいお茶を頂く。

お客さんは私以外にはいない。10畳弱くらいの空間に私一人。
私は「チョコセットとお飲み物」を注文。
お飲み物はオーガニックコーヒー。


しばらく待つと生チョコとコーヒーが到着。
美しい彩りのチョコレートとコーヒーの香ばしい香りがなんとも言えない。


それでは頂きます。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜★
★・チョコセットとお飲み物 1100円

f:id:u_0301:20210503131336j:plain

チョコレートは4種類。

・抹茶
濃い抹茶の苦味がガツンときてふわっと消える。そしてチョコレートの甘みがくる。
4つの中で一番スタンダードな味わいかもしれない。甘さと苦味をしっかりと味わえる。美味しい。


・スイート
フォークを入れた瞬間にわかる淡い口溶けが特徴。少し甘めだが決して甘過ぎない。
味もさることながらやはり食感の方に目がいく。これは大好きなやつだ。


・フェアリーテイル
こちらは酸味を味わう。思ったよりもベリーベリーしていない。あくまでチョコレートが主役な感じが好き。
他のものに比べてさっぱりしている。
ベリー系チョコレートの中でかなり好きなジャンルのやつだ。

・ビター
これが一番お気に入りかも。ビターと言いつつもしっかりと甘さがあり、苦味はない。その代わりになんかのお酒使ってるのかな?リキュール系の香りが一口一口鼻から抜けていくのが最高。
あくまで素のチョコレートの甘さを大事にしている感じがとても好印象。


・抹茶のケーキ
「せっかくなので」と店主さんのご好意でケーキをサービスしていただきました。ありがとうございます。
少し硬めの生地と仄かな甘さが美味しい。ベリーソース、抹茶のソース、クリームを少しずつ混ぜながら頂く。これも美味しい。


・オーガニックコーヒー
オーガニック特有のアメリカンな感じ。単体だと飲みやすくてとっても美味しいが、生チョコがめちゃくちゃしっかりしているので、生チョコとの相性は微妙かも。
生チョコとのセットならお抹茶かエスプレッソかな。苦いのが良いと思います。


ステキな空間。ステキな人柄。ステキなチョコレート。
久しぶりにお気に入りのお店ができました。
また京都に帰ったら絶対に寄ります。

それではごちそう様でした。
とても美味しかったです。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

お会計の時にもらった飴を舐めながら小雨がパラつく冷泉通りを歩く。


心のモヤモヤはまだあの分厚い雨雲みたいに陰りを作っている。
でも、なんだか、少しだけ幸せな気持ちになった。ステキなお店との出会いは私に力をくれる。そんな気がした。


誰も生きてれば嫌なこととか
傷つくこといくつもあるよ
だけど君と出会ってから変わった
俯くよりも顔を上げた方が人生は楽しいんだ
けやき坂46/JOYFUL LOVE


ずっと足元を見ながら歩いていた事に気付く。

顔を上げて空を見上げる。そこで見た曇空は、なんだかいつもよりも少しだけ綺麗な陽が差しているように見えた。