(味の感想は★からです。)
傘を持って出かけた日に限って何故か一日中雨が降らないって、あるよね。
手持ち無沙汰な傘が悲しく涙のような雫を垂らす。
雫は電車の床に溜まって、しばらくすると進行方向とは逆向きに水が流れていった。
昔、理科か科学の授業で習った慣性というものだろうか。
勉強というものは知りたくない時にはやらされるのに、知りたい時には誰もそれを教えてはくれない。実に理不尽なものである。
横浜駅に降り立つ。
時刻は15時ごろ。
別件を済ませ、お昼時の時間をずらした。
というのも今回の目的のお店は【家系総本山 吉村家】さん。
言わずと知れた家系ラーメンの総本山であり、味が別格であると噂に名高いお店。
正直私、家系ラーメンが大好きでして、いわゆるチェーンの家系のお店ほんとリアルに100回以上いった記憶がある。
仕事終わりにほぼ毎日、家系のラーメンとビールを飲みながら、ご飯を二杯食べていた。
そら太るわ、と今ならさすがの私でもわかる。
だからといってはなんだが、私は家系ラーメンの上とか、下とかがよくわからない。
何軒か美味しいとされる家系ラーメンにいったが、さほど違いがわからなかった。
辛うじて蒲田の飛粋さんは旨さの違いを理解できたが、やはりある種の細かい拘りのポイントが刺さった感じで、大きな違い的なものはわからなかった。
吉村家はどうなんだろうな、違うのかなーって思いながらパルナード通りを歩く。
歩行者天国になっているこの通りは渋谷のセンター街のような若者の活気が溢れている。
人間のパワーの部分とそれによって産まれた産業廃棄物のような二面性を孕む雰囲気はどうしても隠キャの私は好きになれない。
南幸橋の辺りは心斎橋のような雰囲気だ。
独特の活気が溢れ返る街並み。
横浜という街は実にいろんな顔を覗かせる。
風景に溶け込むカメレオンのような私は風景が変わるたびにどうしても疲弊してしまう。
とりあえずラーメンを早く食べよう。
そう、決心した私に立ち塞がったのは50人ほどの行列。
これが総本山の一合目か、、、。
しょうもないことを呟き列の後ろに並ぶ。
プラスチックの食券を買い、なんやかんやしてお店の中へ。
カウンター20席以上の広い店内。
座敷も一応一席。
厨房の昔の中華屋さんのようないい意味で小汚い雰囲気とは対照的に、店内環境はかなり清潔的。
コロナのあれもあると思うが、冷房と風がガンガンで非常に居心地が良い。
接客もとても丁寧で素晴らしい。
食べるのが遅れているお客さんに「急がなくて大丈夫ですよ!ゆっくり食べてください!」と声をかけていた。
さすがにあんなに並んでて一人だけロット遅れたら気を遣う。
それを店員さんにいいですよって言われたら周りはなんも言えないですよね。素晴らしい。
そして、さっきもいったが、厨房の雰囲気は中華屋さんっぽい。
テキパキと皆んなが仕事をし、一切無駄のない声掛け。
普通にみてて楽しい。
着席してすぐにラーメンが到着。
ラーメンはちゃんとはみてないが、7.8杯くらい同時に作っていた。そりゃ早いわけだわ。
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★・ラーメン 710円
見た目はやはり普通の家系。
若干浮いてる脂が綺麗な色してるなーって印象。
早速スープを一口、、、
はい、うわー、もう、全然違うやん。
ウッマ、おい。
これはもはや家系と呼んでいいのか?
動物のクリアな出汁感と醤油の旨味と香り。
そしてスープ上に浮いた脂のコク、全てがマッチしてめちゃくちゃに旨い。
勿論これが本来の家系なのだろうが普段食べている家系を家系のデフォルトと設定するならこれは確実に違う食い物。笑
麺はデフォルトの家系の麺。それでもスープがやばすぎて麺もめちゃくちゃ旨く感じる。
チャーシューがしっかりと旨く、しっかりと燻した香りのするスモーキーなタイプ。
これを臭みのないほうれん草を巻いて食べれば絶品。普通にチャーシュー麺くいてぇな。これ。
そして海苔の香りが素晴らしい。
磯感をしっかりと感じなおかつ風味もしっかりしている。これを浸してライス。
いきたかったなー。まじで後悔。
周りの皆さんは本当に色々なトッピングをしていた。これは正直トッピングし得だと思う。安いし旨いし、正直、ご飯はマストかも知れませんね。
あと、卓上のトッピング。
正直、ラーメン旨すぎていらない感あるけど、緑色のニンニクはかなり美味しかった。
ニンニク独特の癖がなく、代わりにラーメンにコクと深みとしっかりとしたパンチをもたらしてくれる。
こちらのニンニクを入れても割りかしニンニク味にならなくて良い。けっこうオススメ。
連食だったにも関わらず、ロット一番乗りで完食。
家系で旨い。ってこういうことなんだなって痛感させられた一杯だった。
それではごちそう様でした。