(味の感想は★からです)
「気持ち」というものは意外と伝わるものである。それは恋人同士が言葉にしないと伝わらない事がある、だとかそういう話ではない。
言葉とはあくまで気持ちを伝える表現方法の一つのツールである。あくまで一つ。つまり言葉だけでは伝わらない事もあるし、逆に言葉がないと伝わらない状況だってある。
簡単に言えば笑顔で元気よく「ありがとう」と言われるのと、怒った顔と低いトーンの声で「ありがとう」と言われるのは同じ言葉でも全く違った気持ちになる。
当たり前だし、誰でも知っている事ではあるのだが、これが意外と難しい。
「美味しくな〜れ、美味しくな〜れ」と想う事が最高のスパイスだと言う人もいるが、私的にはあながち間違ってはいないのでないかと思う。
それは美味しくな〜れという言葉にスパイス的な効果があるのではなくて、美味しく食べて欲しいと言う気持ちが相手にも伝わった時に初めて本当に「美味しくなる」のだと思う。
接客が良いからと言って食べ物それ自体の味が美味しくなるわけでは決してない。けれど、気持ちの良い接客は味覚ではない気持ち的な美味しさをもたらしてくれる。
結局は私も皆人間なんだよ。私がもし機械だったら、味を計測して、グラフを作って、美味しさを具体的な数値にしたりするかもしれないが、残念ながら人間なんですよね。
まぁ、だらだらと何が言いたかったんだ、と申しますと。素敵な接客ととても美味しいご飯が頂けて嬉しかったです。というお話。
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今回のお店は【京うどん 生蕎麦 岡北】さん。
言わずと知れた京都が誇るうどんの名店。
お隣の山元麺蔵さんも京都屈指のうどんの名店。すげーなどっちも。
麺蔵さんは基本予約制(あくまで基本ね)なのに対し、岡北さんは予約の制度はなく、当日並んでうどんを頂く。
時刻は12時少し過ぎ。
お店の前には6組ほどの列。
岡北さんのいつもの列よりは、大分少ない感じなのかな。たぶん普段だともっと並んでいる。
店内はけっこう広めで全てテーブル席。30席以上はありそう。
この広さで並ぶんだからどれだけの人気店か伺えます。私はかねてから狙っていた【天とじ】をオーダーしてしばし待つ。
とても物腰の低い女将さんの接客が素敵で嬉しい。まぁ、けっこうあるあるなのが、おじさんには接客ちゃんとするのに、私みたいな若造
には適当みたいな人いるんですよね、ホールの人で。あの、ちゃんと見てますんで私。
提供時間はけっこう早め。
卵の海にそびえる2本の海老天。
天を衝く気品を感じる一杯。美味しそう。
それでは頂きます。
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★・天とじ 1550円
うどんの食べ方はよくわかりませんが、早速お出汁を一口、、、
ふぉーん、、、優しい、、甘ウマだ。
少し甘めのお出汁にふわふわの卵。いやもうこれだけで旨いんですが。普通に。
卵がとにかく沢山。ケチらずに豪快に、けれども繊細も感じるふわふわの食感。
いやーこれは今後、家でかき卵作れなくなるなー。好きだなーこの感じ。
うどんはモチッとネチっとしていて勿論一切ダレてなんかいません。
多分お出汁はうどんにしては濃い方だと思いますが(それでもスッキリした口当たり)全然負けていません。不思議。
海老天が贅沢にも2本。
早速一口、、、
あっつ!!あっ、これダメなやつだ!あっつい!笑
あの、海老天、ほんと信じられないくらい熱いので、僕みたいな猫舌の人、ほんとに注意して下さい。熱々の餃子を一口で食べた時くらい熱かった。ほんとに。
なんとかふぅーふぅーして改めてパクリ。
これだけお出汁を吸っているのにもかかわらず海老の表面がパリッとしていてめちゃくちゃ旨い。(衣がサクッとしているというわけではない。不思議な食感)
めちゃくちゃに熱いですが、それを乗り越えた先には格別な旨さが待っています。焦らずじっくりいきましょう。
結局最後の最後まであったかいまま完食。旨すぎて私が食べるのが早すぎたのか、閉じた卵の保温効果高すぎるのかはわかりませんが、とにかく終始熱々。
退店の際も「お気をつけて」と送り出して頂きました。京都のおもてなしの心と、確かな味のおうどん。
いやー、大満足これぞ京都。
京都府民であることを少し誇りに思ってしまった。笑
是非東山に観光に来られた際は岡北さんのおうどんいただいてくださいませ。
それではごちそう様でした。
とても美味しかったです。