(味の感想は★からです)
人間の中に染み付いている記憶というものは恐ろしい。
地元の友人と話していてよくもまぁそんな昔のことを覚えているなーとか、よくそんな細かい事おぼえているよなーって思う時がある。
人それぞれ鮮烈に感じることや体験は違っていて、私が全く覚えていないことも友人にとっては鮮烈な体験なのかもしれない。逆もまた然り。
私は十条にいた。○条といえば京都の地名でよく用いられるので、どうしても十条と聞くと、地元の京都の事を思い出す。
半年に一回は帰っていた地元にも、このご時世になってから丸一年くらい帰ってないか?割と私みないな人格破綻者でも郷愁の想いというものはあるらしい。びっくりである。
東京の見知らぬ土地十条で少し時間ができた。十条には一度「流。」さんに行くために来たことがあるくらい。
土地勘なんてもちろんなく、なんとなく自転車でふらふら彷徨っているといつの間にか中板橋商店街なるものに迷い込んでいた。
「この辺でカッフェでも探して休むかー」と思いながら商店街を散策していると、謎の行列を発見。
どうやらラーメン屋さん。
「ちょっと小腹空いてるし、ラーメンでも食べるかー。まぁ、この後またラーメン食べるんですけども」
列を後ろに並びながらお店を調べる。
食べログの点数がめっちゃ高くてびっくり。
なんだか凄い店なのかなーって思いながら待っているとお出汁のいい香りが店の外にまで届いてきた。
すると、なんだかこの匂い嗅いだことあるなーって感じた。ラーメン屋さんのスープの香りで似通っているものはちらほらあるが、圧倒的な既視感。
ふと思い出す。私が昔、よく通っていた下北沢のこてつさんだ。あの、店内に充満した鰹の良い香りを想起したのだ。
ああいう系のラーメンなのかなー。だったら好きかもしれないなーなんて思いながら食べログでお店の情報を調べているとびっくり。
まさかの【中華そば さわ】さんはこてつで修行された方のお店だそう。
人間の中に染み付いている記憶というものは恐ろしい。
ラーメン屋さんから香る匂いだけで修行先のお店がわかってしまうのだ。
それほどに私の中に鮮烈な記憶して残っているこてつさんのラーメンが凄いよね。シンプルに。
私はますます高まる期待の中、昔の思い出を手探りするように静かに暖簾をくぐった。
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今回のお店は【中華そば さわ】さん。先述したように【中華そば こてつ】さんで修行された店主さんの出す醤油ラーメンが人気のお店。
清潔感のあるカウンターのみの店内は後ろの幅がないものの窮屈な感じはしない。
こてつさんと同様にラーメンがやっすいやすい。私は【特製中華そば】をチョイス。特製で900円はマジで安い。笑
カウンターに座り、食券を渡す。とても柔和な感じの店主さんはどことなく彼の方に似ている。
前の二人組のお客さんと同じタイミングだったのですが、「一緒に作っても大丈夫ですか?」と声をかけてもらいびっくり。
「もう、全然!お店の方の自由にやっちゃってください!ありがとうございます!」って心の中では元気に答えたが、現実では軽会釈。
お店ができてまだそこまで経ってないように見えるが、けっこう常連さんが多い。もう土地に根付いている感じがする。凄い。
しばし待ってラーメン到着。
いんやー900円でこのトッピングの豪華さ。すんごい。
それでは頂きます。
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★・特製中華そば 900円
まずはスープを一口、、、
んんん?
うっま。うわー旨いなーこれ。
かなりバランスの良い印象を受ける円やかな醤油スープ。もの凄い出汁感。動物系やら魚介系やら野菜やら色々入っているのだろうがどれかがガン!と前でしゃばってくる感じがない。
素晴らしいバランス。
鰹感の強いこてつさんが剛とするならば、バランスの良い柔のさわさんといった印象だ。
麺は少しパツパツ感の強い細麺。
これがまた、スープと相性ばっちし。旨い旨い。
トッピングはどれもおいしおいし。
特にチャーシューはスモーキーな香りがする私の好きな燻製タイプ。
ワンタンが三つも入っていてボリューム満点。生姜の風味も素晴らしい。(一つはサービスっぽい?)
ボリューム感、味、値段、どれもこれもが素晴らしく、私的には大満足。
家からは少し遠いですが、再訪決定ですね。
また行きます。
それではごちそう様でした。
とても美味しかったです。