(味の感想は★からです)
私は自転車を担いだ。
Google先生の経路を頼りにお店に向かう。
経路案内には徒歩のルート、車のルート、公共交通機関のルートがある。
私みたいに自転車で行動する人間は、どのルートを使おうか迷うところである。
車のルートだと大きな幹線道路を使うわかりやすいルートが表示される。
反対に徒歩のルートを選択すると最短距離で目的地に到達することができる。
だいたい私はいつも徒歩のルートを使うのだが、最短距離だからこその弊害がある。
目の前にそびえる階段。
あくまで徒歩であることを前提とした最短ルートには階段をつかったルートを示されることも多々ある。
幸いクロスバイクの重量は大したものではないので自転車を担ぎ階段を上り切る。
自転車というものは、多少の不便さを孕んでいる乗り物だと思うが、その分柔軟に対応できるところが私の好きな部分でもある。
というのも、もちろん車だと階段を上ることはできないし、そもそも細い路地や裏道などを使うのも難しい。
自転車は自分の思考や行動次第でどこへだっていける。その分自分の足を動かさなければならないのはどこか人生に似た部分を感じる。
肌寒い風が強く吹き抜けるのを感じる。
私は自転車を担いで火照った体を風に慣らすように、自転車のスピードをあげた。
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今回の目的のお店は【ラーメン巌哲】さん。
東大阪風のマルチョウそばや淡麗な鮪塩見ラーメン等幅広いメニューが楽しい。
限定メニューも多く、通いがいのあるお店だ。
12時ちょっと過ぎ。
外待ちはおらず、そのまま店内へ。
ラーメン屋さんには珍しい、AI検温器がお出迎え。
体温をモニターで、アルコール消毒も非接触で行えて、安心してラーメンを頂ける。
私は鮪塩をチョイス。
席について、しばし待つ。
店主さんが「おおきに」とお客さんに言っているのを聞いて、初めて関西の方なんだなと気付く。
そもそも東大阪風って言ってるんだから当たり前だろうって思うが、久しぶりに関西人のおおきにを聞くととても安心してしまう。
誰にでも郷土心というものがある。私も久しぶりに故郷に帰りたくなった。
ほどなくしてラーメン到着。
透き通るスープに今にも飛び込みたくなる。
それではいただきます。
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★・鮪塩 1100円
透き通るスープにネギの蒼が映える。
早速スープを一口、、、
ふぉぅ、、あっさり。美味い。
あっさりとした飲み口ながらも後からじんわり旨味がくるのが良い。
ネギと一緒に添えられた大葉がいいアクセントになっている。
爽やかな香りと旨味を堪能できる。美味しい。
トッピングもマグロが入っていたり、チャーシューもスモーキーな感じもしていて楽しい。
全体的に上品さが勝つ優しい味わいのラーメン。
ガツンとしたパンチはないが、恐らく他のメニューがパンチ強そうなのでバランスが取れているのかもしれない。
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退転時、「ごちそう様でしたー」とお盆をあげると、強面な店主さんが笑顔で「おおきにー」と答えてくれた。
東京で感じた人情の街の香り。
私は心の中で、「ほなまたくるわ」と答え、店を後にした。
それではごちそう様でした。