(味の感想は★からです)
私は早足で歩いた。
渋谷はいつもどおりの慌しさ。
一時期の人の少なさが懐かしく、恋しい。
肩を左に入れて、右に入れて行き交う人の波を泳ぐ私は一体どこへ向かうのだろうか。
高級外車が横付けされている。
そこには足のほとんどを出したワンピース型のドレスを着た女性。
隣に黒服の若者。
これからパーチーにでも向かうのだろうか。
大海を統べる鯱達の群れに飛び込む彼女達の気持ちは、川で静かに暮らす鱒には到底理解できない。
海と川で住む世界が違うように、人間も皆それぞれ違う世界で生きている。
それ故に今自分の隣にいてくれる存在、というものは大切にしていかなければならない。
まぁ、私の隣には誰もいませんが。笑
私は早足で歩いていた。
男一人でホテル街を歩く事以上に、早足で歩く理由は私には無かった。
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今回のお店は【鶏そば・ラーメンTonari】さん。
神泉駅すぐ近く。
渋谷からも10分ほど。
いわゆる裏渋?と呼ばれる場所にあるお店はバーのような雰囲気が素敵なカウンター席のみの内観。
数年前に一度牡蠣ラーメンをいただいたことがある。一応鶏そばがメインのお店だが、牡蠣ラーメンのクオリティも高い。
お店に到着。
期間限定のメニューで牡蠣の肝みそ塩そばの文字。
今日こそ鶏そばを食べようと思っていた私の心を軽くへし折り、私は牡蠣の肝みそ塩そばをオーダー。
しばし待つ。
ラーメンん待つ間、私はふと皆は何の為に生きているのかなーなんて考えた。
自分自身もよくわかっていない課題である。
何を持って人生を楽しく生きているのか。
皆が目盛りの無い物差しを渡されて、各々が自由に物差しを使えるようになった時代。
周りに流されるだけでよかった学生時代とは違う。
まさに社会という名の大海では自分で泳ぐ方向を決め、進んで、そして生き抜かなければならない。
私は何者なのか。
私は何を為す者なのか。
そんな考える意味のないことを考えていると突如柚子皮の爽やかな香りが私を正気に戻してくれた。
人生に迷う若人よ。まぁ、これ食ってから考えなよ。
そうラーメンが語りかけてくれたような気がした、私に誰か良い神経外科を紹介して下さい。お願い致します。
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★・牡蠣の肝みそ塩そば 1300円
黄金色の透き通った塩スープにグレーの牡蠣みそが美しい。
柚子皮が添えられたスープからは柚子と牡蠣の香りが。
まずは塩スープだけ飲んでみる。
スッキリあっさりした塩スープはこれだけでも非常に美味しい。
これと肝みそを混ぜる。
少しグレーみがかったスープからは一際牡蠣の香りが拡がる。
早速スープを一口、、、
うぉお!旨い!
他のお店の牡蠣ラーメンはあくまでラーメンの出汁に牡蠣を使いました!みたいなバランスが多い中、こちらのスープは牡蠣の旨味をダイレクトに感じる。
ストレートに牡蠣を凝縮し、ほんの少し周りがアシストするようなワントップ陣形のスープは珍しくもあり、とても美味しい。
ヘタすれば牡蠣専門店よりも、旨いと感じる牡蠣のスープ。
これがデフォルトメニューじゃないのは少しもったいない。
これは牡蠣好きは堪らないと思いますね。
大振りの牡蠣が贅沢にも二個。
もちろん美味しいのだが、牡蠣の肝みそが素晴らしすぎて若干の磯感が邪魔をする印象。
これは牡蠣ワンタンの方が合いそう?
まぁ、その辺は主観でもあるし、お店の方が決めること。
普段あまりスープを飲まない私ですが、久々にレンゲが止まらないスープでした。
それくらい美味しくて、尚且つ個性的な一杯でした。
それではごちそう様でした。