私は急いでいた。
神保町。
地下の改札から地上に出るために階段を登る。
昔ながらの古本屋と高層ビルが入り混じるこの神保町の街並みは、いつも私をなんとも不思議な気持ちにさせる。
そんな街並みを堪能しながら私は、今日の目的のお店【神保町 黒須】さんに向かう。
東京ラーメン百名店の常連店である黒須さんは基本の醤油ラーメンに加え、塩や期間限定のメニューがあったりと話題に尽きないお店である。
お店は駅からすぐ近く。
開店してまだしばらくの時間帯。
焦らずにテクテクと神保町の街並みを堪能しながら向かう。
だが、私のセンサーは反応してしまった。
目の前を歩くサラリーマンが二人。
歩く方向。スピード。
手ぶらの様相。
完全に私と目的地が同じ者の匂いを感じる。
お店までは目の前の道の角を曲がってからの直線およそ50メートル。
私は急いだ。
絶対に先を越されたくない。
だが、ここで急いでいることをサラリーマンにバレてはいけない。
なんてあいつは心に余裕のないやつなんだと思われては癪である。
元から私はこれくらいの早歩きをしていましたよ?という絶妙な足捌き。
お店の前ギリギリのところでなんとかサラリーマンよりも前に列に並ぶことに成功。
私はさながら全盛期のディープインパクトの足並み軽やかに差し切ったのであった。
まぁ、そんなどうでもいいことはさておき。
時刻は12時半。
待ち客は五名ほど。
まぁ、店内も狭いし、結構かかるかなーって思ってましたが、こちらのお店はかなり回転率が早い。
お客さんの意識の問題なのか、神保町のオフィスで働くみなさんの休憩時間が短すぎるのかは知りませんが、まぁみんな食べるのが早い。そしてすぐ出る。
5分くらい、というかほぼ並んでる感覚もなしに店内へ。
カウンターのみの8席。
狭いは狭いが特に隣の人とぶつかるみたいな狭さではない。許容できる狭さ。
食券を店員さんに渡し、着席。
ものの2、3分でラーメン到着。
提供も早いのね。素晴らしい限りです。
待ち時間5、6分ででてくるラーメンのクオリティでは間違いなくない。
これは相当な当たりを引いたかもしれません。
早速スープを一口、、、
おう!旨いやつだぞ。これは。
醤油スープは塩気と甘みのバランスが絶妙でめちゃくちゃ美味しい。
どちらかといえば旨味たっぷりなガツンとくるスープでなかなかお水が欲しくなる感じではあります。
ですが、正直、ラーメンはこれくらいガッ!とくるやつの方が好きです。
素材の味、、、とかいわれても、、って感じはあります。笑
周りのお客さんで結構スープを完飲してる人が多い。これでだいたいの美味しさがわかっていただけるだろうか。
そしてビジュアルが気になって思わず頼んでしまった肉飯。
こちら、結構変わってまして、一般的なチャーシュー丼は単体で食べることを前提とした濃いタレの味付けなのですが
こちらの肉飯は胡麻油の風味が効いたとてもあっさりしたもの。
ということはつまり
ラーメンのスープと一緒に食べて初めて完成する仕組みになっているわけです。しらんけど。
これはかなり美味しい肉飯だ。
もしお腹に余裕があるならば必食の丼である。
満足感と新たな発見が150円で手に入る。
それではごちそう様でした!
ちなみに先にも言いましたがこちらのお店回転が早いのでどっかの馬鹿みたいに急がなくて大丈夫です。みなさん安全に楽しくラーメンを楽しみましょう。