☆プロローグ
赤坂BLITZをでるとそこは一面のクリスマス模様。
右手にはこの寒空の下スケートリンクで遊ぶバカップ、、
失礼。カップル達が聖夜の思い出づくりに勤しんでいる光景が映った。
私はさっきまでのLiveの熱狂が嘘のような凍え切った心臓を抑えながら目的のお店に向かった。
赤坂の街並みを進むこと5分程度。
この寒い中キャッチをしているにいちゃん達に心の中でお疲れ様っと唱えながら今回の目的のお店「一点張り」の看板を見つけた。
夜の8時半ごろ。
待ち客無し。
店内に入ると思ったよりも、席数が多い。
カウンターとテーブルが隙間なく埋められており、ご飯を食べるにはギリギリの広さ。
カウンター越しの調理場では手馴れた中華鍋の音と、男達の声が交錯している。
昔ながらの人気中華屋さんと言える賑わった店内と無骨な男達の職人的な調理。
さすがに中華鍋にお湯をタプタプに入れ、中華麺をぶん投げている姿は圧巻の一言だったがこういう調理工程をみるのも中華屋さんの楽しみの一つだ。
私はお店の中央付近のカウンター席に通された。
店内は満杯。
すると、慣れた手つきで店員さんがお水を持ってくると
「ご注文は?」
と考える暇をこちらに全く与えさせてくれない。
ただ今日の私は初めから炒飯を食べにこのお店に来店している。
「炒飯中を一つ」
滑らかに私の口から言葉がでてきた。
私の何事にも揺るがない強靭な精神がこのスムーズな注文を可能にした。素直に褒めてやりたい。
そんな恍惚な私の横でサラリーマン達が注文を待っていたのだが、その刹那
「餃子お待ち!」
とサラリーマンの前に餃子が置かれる。
なんだこの餃子!旨そう!
と完全に心を奪われた私は気付けば餃子を注文していた。
まだまだ私のメンタルは鍛える余地がありそうだ。
反省しよう。
そんなメンタルブレイク中の私の目の前に炒飯が到着した。中華屋さんおなじみのサービススープを一口のんで私は確信した。
このお店の炒飯は確実にアタリであるということを。
☆味の感想
炒飯中 650円
餃子3ケ 250円
炒飯最高!!
僕の大好きなしっとり系の炒飯!
それでいてもちろんベタついているわけではなく、米の一粒一粒がちゃんと立ってる食べ応え抜群の炒飯!
具材はシンプルにネギ、玉子、チャーシュー
チャーシュー美味いね!焼き豚と表現するのが正解だと思う味染みバッチリな焼き豚はしっとり炒飯との相性抜群!
一度食べたら止まらない最高の炒飯でした!
少しだけ残念だったのが、ほんの少し焼きすぎな箇所があったところ。
それは食感の違いをだすためにわざとしているのかもしれないが、絶妙な水分量でつくられているこの炒飯はシンプルに全体がしっとりしている方が美味しい。
そこだけがほんの少し残念でした。
そして餃子!!
これは一点張りさんにきたら必食かもしれません!
野菜たっぷりな餡を大きめに包んでいるため、ジューシーで食べ応えがありつつ、ヘルシーに食べることができる!
けっこう他では食べれないオリジナリティのある餃子で食べてみる価値が大有りな一品でした!
こうなると北海道ラーメンも絶対美味いんだろうけど、僕の胃袋ではあのポテンシャルのラーメンは次の機会にすることにしました、、
ただ次来てもどーせ炒飯と餃子食べるんだろうな(笑)
それぐらいうまかったです!
大満足でした!ごちそうさまです!
☆エピ
再び赤坂の街に飛び出すとお店の前には仕事終わりのサラリーマンが列を作っていた。
待たずにこのお店に入れた自分の幸運を噛み締めながら私は帰路についた。
帰り道
私はいくつかのカップルとすれ違った。
普段ならカップルを見る度にいらいらし、もし願いが叶うなら、私がカップルと三回すれ違う毎にそのすれ違ったカップルが爆発すればいいのに
と私は本気でおもっていた。
だが、もうそんな邪悪な私はもういない。
美味いご飯というものは人を幸せで包んでくれる。
こんな邪悪な私にひとときの幸せを味合わしてくれたあの無骨な男達に感謝しながら、私はカップルの幸せで包まれた赤坂を後にした。