(味の感想は★からです) 新宿の街は何度行っても慣れない。 喧騒感のある雰囲気と街行く人々の活気は、子供の頃感じていた純粋な元気さとは違う薄黒い香りを感じてしまう。 夜になるとその香りは強まり、比較的穏やかな東口近辺ですら居心地が悪い。 夜長な…
(味の感想は★からです) すっかり裸ん坊になったイチョウの木を眺めながら私は落ち葉の中を歩いていた。落ち葉を踏みしめるパリッパリッという音は秋の終わりを予感させる寂しさを感じる。心地の良い陽の光を身体中で受け止めながら森の木々達の中を歩いて…
(味の感想は★からです) 11月も終わり、寒さは本格的に準備運動を始めている。 一度収まりかかっていた火の輪を冠した輩はまた元気を取り戻しつつある。 私達にできることは限られている。 不要不急の外出を控えること、ちゃんと手を洗うこと、マスクをつけ…
(味の感想は★からです) 死神の門の入り口は意外とすぐに到達できる。人間普通に生きていても、ふと死にたくなる瞬間が訪れたりする。 それは本当に些細なことで、友達に誘いを断られたりとか、今日のご飯が美味しくなかったとか。それまでに積もった小さな…
(味の感想は★からです) 冬将軍のカラッカラッと鎧の擦れる音が聞こえてくる。まだ紅葉たちが本調子を取り戻すよりも先に秋が終わろうとしていた。日中は晴れていれば寒さはそうでもないのだが、やはり夜の冷たい風はしっかり着込まないと耐えることができ…
(味の感想は★からです) 私は無性にワンタンメンを食べたくなっていた。気温が下がると鍋を突きたくなるように、あつあつのワンタンを頬張りたい欲求に駆られていた。 場所は三軒茶屋。上京してからなにかとお世話になっているこの街だが、時折訪れるといつ…
(味の感想は★からです) 国道14号線はサイクリングにうってつけの道路だ。ストレートに伸びた見晴らしの良い一本道を一台の自転車が快走する。紅葉の季節が近づいてきた11月の中旬。 両脇に八分咲きな紅葉のアーチがかかる14号線沿いを自転車で走っている人…
(味の感想は★からです) 環八通りを行き交う車達は、心のなしか急いでいるように見える。都会の喧騒ど真ん中を走る“幹線道路”の一つ、“環八通り”を自転車で通行してる人は少ない。ビュンビュンと車が私の横をすり抜けていく。車の運転はその人の性格がその…